- 目頭、目のふち、目の中がかゆい!考えられる理由は?
- 目の痒みを起こす病気と対処法
- 生活環境による目の痒み
- 目の痒みの診察・検査
- 目がかゆいときは市販薬を使っていい?
- 去年の目薬は使える?目薬の使用期限は?
目頭、目のふち、目の中がかゆい!考えられる理由は?
通常、目はまぶたやまつ毛、結膜、涙によって守られていますが、アレルギー物質や細菌・ウイルスなどが侵入すると目の痒みといった症状を引き起こします。
目の痒みを起こす病気には、アレルギー性結膜炎や眼瞼炎、ドライアイなど様々な種類があります。痒みを我慢できずに目で擦ってしまうと、眼球を傷付けるなどして症状が悪化する恐れがあるため、注意が必要です。
目の痒みが続いている場合には、できるだけ早く当院までご相談ください。
目の痒みを起こす病気と対処法
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎とは、目に花粉やダニなどのアレルゲンが混入することで痒みなどの症状を引き起こすアレルギー性疾患です。特に多いのが花粉による季節性アレルギー性結膜炎で、一般的には花粉症と呼ばれています。
目の痒みを我慢できずに擦ってしまうと、目の痛みやゴロゴロした違和感・異物感を伴うようになるため、注意が必要です。
アレルギー性結膜炎の対処法
季節性アレルギー性結膜炎は一般的に花粉症と呼ばれている病気です。花粉症の予防には外出時にマスクや眼鏡を装用して花粉の侵入を防ぐことが効果的です。また、できるだけ表面がツルツルした服装にすると、花粉が衣類に付着するのを防ぐことができます。
ハウスダストが原因の通年性アレルギー性結膜炎の場合には、こまめに掃除機をかけることや、ぬいぐるみなどハウスダストが付着しやすいものを遠ざけることが予防に繋がります。
ドライアイ
ドライアイの主な症状は目の乾燥や目の疲れなどになりますが、中には目の痒みや痛みを伴うこともあります。
ドライアイの対処法
ドライアイによって目の痒みが生じている場合でも、目を擦ったり掻きむしったりしないよう注意しましょう。目を掻いてしまうと皮膚の角質層が損傷してバリア機能が低下し、患部に赤みや湿疹などを引き起こします。また、炎症部分が拡大して更に痒みが悪化する恐れもあります。
目の痒みを改善したい場合には、冷たいタオルやハンカチなどをまぶたの上に当て、目を冷やして炎症を抑えるようにしましょう。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎とは、目にウイルスが侵入することで目の充血やまぶたの腫れ、涙目、耳前方や顎の下のリンパ節の腫れ・痛みなどを引き起こす病気です。中には目の痒みを伴うこともあります。
ウイルス性結膜炎の対処法
ウイルスによる結膜炎の治療は、炎症を抑えるための点眼薬や細菌感染を防ぐための抗菌薬などによる対症療法が中心となります。風邪と同様に、しばらく安静状態を保つことで体内に抗体が作られて自然治癒します。
眼瞼炎
眼瞼炎とは、まつ毛の根元のまぶたの一部が赤く腫れる病気です。主な症状は目の痒みや痛み、目の充血、まぶたが赤く腫れる、ゴロゴロとした目の違和感・異物感などが挙げられます。
眼瞼炎の対処法
眼瞼炎はしばらくすると自然治癒することもありますが、中には眼科での治療が必要なケースもあります。眼瞼炎を発症したらまぶたを清潔な状態に保ち、できるだけ早く眼科を受診するようにしましょう。
ものもらい(麦粒腫)
ものもらいとはまつ毛の根元のまぶたの一部が赤く腫れる病気で、正式には麦粒腫や霰粒腫と言います。主な症状は、まぶたが赤く腫れる、目の痒み、まばたきの際の目の痛み、目の充血、ゴロゴロとした目の違和感・異物感などが挙げられます。
ものもらいの対処法
ものもらいを発症したら、まずは目やまぶたを清潔な状態に保つことが大切です。洗顔する際にはできるだけ刺激の少ない洗顔フォームなどを使用するようにしましょう。
ものもらいは、症状が軽度の場合には市販の抗菌薬点眼薬で改善することもありますが、症状が悪化している場合には自己判断せずにできるだけ早く眼科を受診するようにしましょう。
霰粒腫
霰粒腫とは、涙の油分を分泌するマイボーム腺が閉塞を起こす病気です。主な症状は目の腫れやしこりなどで多くの場合は自然治癒しますが、しこりが炎症を起こすと目の痛みや痒み、腫れ、発赤などの症状を引き起こすようになります。また、しこりのサイズが大きくなると皮膚が破けて破裂(自壊)することがあります。自壊してしまうと傷のあとが残ってしまう可能性が高いため、大きくなりすぎたり、皮膚が薄くなり内容物が透けて見たり、赤みが強い場合には手術治療が検討されることもあります。
霰粒腫の対処法
霰粒腫の主な原因は過度なストレスの蓄積や慢性的な睡眠不足、過度な飲酒、喫煙、辛いものや甘いものなどの刺激物の過剰摂取といった生活習慣の乱れのため、予防には生活習慣を改善することが大切です。また、マイボーム腺という涙の油成分が分泌される穴が詰まる事も主な原因となるため、目もとのお化粧を控えたり、ホットアイマスクで目を温める事もとても大切です。
また、日常的にコンタクトレンズを装用している場合には、症状が治まるまでは装用を中止して眼鏡に切り替えるようにしましょう。
生活環境による目の痒み
乾燥によるもの
ドライアイとは、パソコンやスマートフォンの長時間使用やコンタクトレンズの不適切使用などが原因で目が慢性的に乾燥する病気です。
ドライアイを発症すると、目の渇きの他、目の痛みや痒みなどの症状を伴うこともあります。
コンタクトレンズや化粧品などによるもの
目のかぶれや痒みなどの症状は、病気以外にも生活習慣によって引き起こされることがあります。特に女性の場合では、日々の化粧やまつ毛のエクステ、二重まぶたを作る際のテープや接着剤など、目やまぶたに様々な刺激を与える機会が多くあります。そのため、これら薬剤等がまぶたの炎症を引き起こし、目の痒みや痛みなどの症状を引き起こすことがあります。
その他では、不衛生なコンタクトレンズの長時間使用なども目のかぶれや痒みを引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。
目の痒みの診察・検査
目の痒みや痛みなどの症状を起こしている場合には、各種検査によって炎症の原因を特定することが重要です。目の炎症の原因には何らかの病気やアレルギーなど様々なケースがあるため、原因が特定されたらそれぞれに対する治療法を検討します。
細菌やウイルスによる感染症が疑われる場合には原因菌の特定を行い、ドライアイが疑われる場合には、涙の量や質、角膜の状態などを調べる必要があります。
主な検査は、視力検査や眼圧検査の他、症状によっては細隙灯顕微鏡検査を実施して目やまぶたの状態を詳しく観察します。
目がかゆいときは市販薬を使っていい?
目の痒みを引き起こしている原因が特定されている場合には、市販薬によって症状を改善させることができるケースもあります。
また、一時的な目の乾燥などが原因の場合には、ワセリンなどの保湿剤を塗布するだけで痒みなどの症状が治まることもあります。
去年の目薬は使える?目薬の使用期限は?
クリニックで処方された目薬
未開封の場合は、薬に書いてある使用期限を守りましょう。
開封後は、1ヵ月以内に使い切るようにしてください。
使用期限が過ぎている、古い薬は成分が弱くなっている可能性があるので、破棄するようにしてください、
特に防腐剤が入っていないものは、開封したら1回だけ使用(1本を左右の目に使用して構いません)して残液があっても必ず破棄してください。
市販されている目薬
市販の薬は未開封の場合、製造から6ヵ月から3年ほど保存できます。
なお、開封後は3ヵ月を目安に使い切りましょう。
市販薬には処方薬よりも多くの防腐剤が入っているため、処方薬よりも長く持ちます。使用期限は製品に記載されているので、必ず期限内に使い切るようにしてください。